■不定期連載第一回
『思い出しバイト日記』
「2022年（令和四年）3月6日、
日曜日派遣会社に面接、ていうか登録へ行くの」巻
中年引きこもり学歴職歴なしびと。です。十代の頃からいくつか短期バイトの経験はありましたが。
とにかく近所に通勤便利なバイトがありません。就職も経歴的に困難です。接客などは経験ありません。なので「履歴書不要」バイトしか選択肢がありません。辛いです。キムチにハバネロかけたくらいには。
しかしとにかく始めました。始めなければ死ぬのです。「さあ、ゲームのはじまりです！」
デスゲームの、ね……
■金曜日
金曜日、「某超有名物流倉庫ピッキング」に、バイトアプリでフォームに沿って応募して、来週木曜日に面接という返信があったのです。しかし、数時間後電話があり、翌日土曜日か日曜日に面接できます、就業もその分早くできます、とのこと。
……すごく慌てました。明日かよ！？履歴書不要とは書いていたからあまり準備もいらん、余裕、と思っていたけど、心の準備はできていなかった。そう心まで許していません
「じゃ、日曜日にします」と返事して直後、やっぱ土曜にすればよかった、面倒なことは早く終わらせたほうが精神衛生上も良いし……と。
■日曜日3月6日
面接会場まで、一時間以上かかるので、グーグルマップで乗り換えの電車の確認をしましたし、当日一時間早く家を出たけど、結局、5分ほど遅刻してしまった。
（乗り換えがややこしく、ホームを間違えたりした為である。）
「履歴書不要」とはいえ、簡単な職歴や学歴など書くことになり、また慌てた。（知らんことばっかりですよ。ほんとに引きこもりは……）
万が一の為、以前書いた履歴書を持参していてよかった。
（今考えると適当に書いても大丈夫だったようである。その場で採用が決まっていたようなのだ。なにしろサイトに「300名募集」などと書かれてあったはず。）
しかし予想外だったのは週五日フルタイムでやるつもりが、3日しかできないことが前提になっていたのだ。
（サイトには、『週3〜』と書かれていたので選べると思い込んでいたのですが……どういうことなのでしょうか？怖いので詳しく聞く気にはなれなかった。）
……やっぱやめようかな……と迷ったが、これも修業だと流れに任せることにした。
帰り道の電車で電話がなり（電話も殆どなったことがないので、設定していた
♥ザ・ドアーズの『ハートに火をつけて』
、の
オルガン
のイントロのループに心臓の高鳴りが鳴り止みませんでした。
止んだら死ぬわけですが。
慌てて途中で下車して出ると、LINEで今後連絡したいので登録してほしい、と言われた。
LINEを使ったことがないのだ。万が一のためインストールはしていたけれども……（ちなみにスマホもその一年前短期バイトで稼いだ金で買いました。）忙しなく人通りの絶えないどこだか知らない駅のトイレで、やりました。
とにかく大変なトラブルだらけの幕開け、という印象でした。
こうして4日後の3月10日に初出勤日の運びとなったのだった。それが地獄への入口だともしらずに……
→つづく（不定期連載）
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